夕刻のトンボ。沖縄本島、南大東島、石垣島、西表島、与那国島で確認している。初めて本種を見たのは、与那国島の樹林帯の流れ、暗闇の中、縦横無尽に飛ぶためまったく手が出なかった。開放水面では、水際を飛ぶことが分かり、やっとカメラに収めることができた。飛びながらの交尾時間は数秒(写真上から2番目)、その後♀単独で産卵産卵に入った(写真中)。産卵は、水面近くの植物、浮遊物などに沿って行われる。単独産卵では、産卵中に♂にさらわれていくことがあり、♂が警護産卵をすること(写真一番下、右上が♂)もある。産卵は、あちこちで行われる場合と、一か所で行われる場合があるが、一か所の場合左右に翔びながら、1回づつ産卵を繰り返す。その場合、水面近くになると下から2番目のような姿勢をとる。曇りの日には、早くから水辺にあらわれる。開放的な所で本種を見ることはなく、樹林帯のある水辺のみに生息する。
タグ: 産卵
コナカハグロトンボ
石垣島と西表島に生息する。水田にある小川から山中の渓谷まで幅広く生息する。下流域では、アカナガイトトンボ、中上流域では、クロイワカワトンボ、チビカワトンボなどと混生することがある。朝7時ごろには、もう♂が川で見られ、日の当たる流れの緩い石が顔を出しているような人気のところでは、小競り合いが絶えない。(写真上から4番目)、昼前後2時間ぐらいに交尾が行われるが、午後に多い。ふきんの小枝、岩などに止まり数分行われる。産卵は、1回しか確認していないが、このケースは、♀が単独で飛来し、すぐそばにいた♂なにも興味を示さなかった。水をせき止めてあった板の裏側ですごい水圧の中14:43から1時間33分もの間場所を移動しながら産卵を続けた。川での♂たちの喧噪も、3時頃には静まり、たたずんでいるが、午後5時前にはコナカハグロトンボの姿は、川から見られなくなる。
シロオビカワトンボ(クロイワカワトンボ)
石垣島と西表島の上流域、川沿いのほか、山道沿いで見られる。川では、コナカハグロトンボ、チビカワトンボなどと混生することがある。産卵は、単独で行われる(写真上から2番目)ことが多いが、♂の警護がつく(写真上から3番目)こともある(月刊むしに投稿済み)。水中の石・木の枝などに、数分から10分程度かけて行われる。警護がつかない場合、産卵中の♀に♂がアタックしてくる(写真上から4番目)ことがある。交尾は、付近の岩などに止まり行われる。他のトンボが、川から姿を消す5時過ぎでも、産卵・交尾活動が見られる。6時過ぎには、シロオビカワトンボも川での活動が見られなくなる。
チビカワトンボ
上流域の渓流、細流でみられる。コナカハグロトンボ、クロイワカワトンボなどと混生することがある。交尾は、岩や植物などに止まり数分行われる。産卵は、苔の生えた岩などに止まり連結または♀単独で行われる。連結での産卵は、短いが、単独での産卵は場所を変えたりしてじっくり行われる。一番下は、朽木に単独産卵する♀、発見したときはすでに産卵しており、発見時から20分以上同じ朽木で産卵を続けた。午後5時ごろには、チビカワトンボの姿を川辺で見ることができなくなる。
マルタンヤンマ
いることは、わかっていたがなかなかお会いできなかったマルタンヤンマ。これまで、らしい影を上空に見上げるだけだった。出会いは突然。マルタンヤンマが、一瞬目に飛び込んできたが、消えた。 ? ? オオシオカラトンボの♀と間違えた。そんな馬鹿な。よくみると、ミクリのあいだから僅かに見えた。産卵に来ているようだ。発見10:42、それからあちこちと場所を変えながらミクリに止まり産卵を続け10:46に終了、マルタンヤンマは姿を消した。これまで、上空を見上げるばかりだったが、2024年はそこそこ低い所を黄昏飛翔する本種を見ることができた。例年は、30分ぐらいで2~3回見られればいいほうだったが、視野の中に2~3頭を確認することもあった。